食物連鎖について考える
人間を含むすべての生き物の、食べる食べられる関係が鎖のようにつながっていることを、食物連鎖と言います。
その一例をハリガネムシを通して見ていきましょう。
ハリガネムシとは
類線形動物門 ハリガネムシ網(線形虫網)ハリガネムシ目に属する生物の総称。
ハリガネムシはじつは.....。気持ち悪いと言わないで!
川や森の生態系にとって大事な役割を果たしているのです。
カマキリやカマドウマなどの肉食昆虫に寄生する生物のお話です。
カマキリのお腹がプックリしていたら、お腹の中にハリガネムシが入っていることがあります。水たまりでのたうちまわる黒いヘンテコな生き物を、見たことがある人もいるでしょう。あれが、カマキリのお腹から出てきたハリガネムシなのです。
2021年秋、公園インフォメーションに連れてこられたハラビロカマキリは、飼育ケースの中で少しも落ち着かず、餌をあげても見向きもしませんでした。
ハラビロカマキリは元々お腹がぷっくりタイプのため、気付かなかったのですが、数日経過してだんだん衰弱し、バランス感覚がなくなりよく倒れるようになりました。
もしやと疑っていたら、衰弱していくカマキリのお尻からもしやのハリガネムシが出て出てきたので、後から考えてみて納得したのです。
ハラビロカマキリは樹上性のカマキリなのに道路脇の草むらを歩いていたのですから、お腹の中のハリガネムシに操られ、池の方に歩いていく途中だったのでしょう。
宿主にしていたカマキリが飼育ケース内では、ハリガネムシは一番の目標を達成できなかったわけです。
ハリガネムシには申し訳ないのですが、水辺に行けず、干からびたままの姿でインフォメーションで食物連鎖の説明標本として、お役目を担ってもらうことになりました。
ハリガネムシよ、ごめんなさい。
ハリガネムシの生き方を通して食物連鎖のはなしをすると「気持ち悪かったけど、ハリガネムシの見方が変わった」と言ってくれます。
ハリガネムシに対する偏見を解くために、そして、この地球上に存在するものすべて、要らないものはないということを知るために。
寄生虫であるハリガネムシが川や池に飛び込ませたカマキリやキリギリスやカマドウマ類は大型の魚たちの餌になることで、水生昆虫があまり食べられなくなります。水生昆虫が水の中の藻を食べてくれて藻がが増えるのを抑えてくれるのです。ハリガネムシがいなくなると大きな餌を食べる魚が、大量に水生昆虫を食べ、藻がはびこり水が汚れてくるのです。
自然のサイクルには無駄がないということ。自然って大切ですね。だからハリガネムシは生態系のバランスを守ってをいることになるのですね。
Posted by 管理人 at 09:12 パーマリンク
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