久宝寺緑地 カブトムシものがたり1
2023年3月中旬のことです。樹林帯歩道で大きな幼虫が落ちていたと来園者のSさんが持ってきてくれました。以前カマキリの赤ちゃんの餌のアブラムシが足りなくて困っている時に、セイタカアワダチソウの枝に付いたアブラムシを持って来て下さったのもSさん。いきもの関連のことではよく公園インフォメーションを訪ねてくれます。
間違いなくカブトムシの幼虫です。立派なサイズで、感動しました。Sさんによると、樹林帯の歩道に新たに敷かれたバークチップの中から幼虫の一部分がのぞいていたそうです。その日は3匹見つかりました。敷かれたバークチップから見つかったということは、バックヤードチップの山に産卵されていたのでしょう。
「レッツ久宝探検隊」の方々が昨年の夏に放った数十匹のカブトムシたちが、久宝寺緑地の林の中で飛び交い、自然に繁殖してくれるようになったのですね。交尾を終えたメスが熟成中のバークの山に産卵し、その卵が孵化して幼虫になっていた。幼虫はバークの山で眠ってるところをトラックに載せて運ばれ、樹林帯の歩道に敷かれたので樹林帯の歩道で見つかったのですね。
遡ること約10年前、「レッツ久宝探検隊」の人たちが、子どもたちがカブトムシを自然のままで観察ができる公園にしたいと「カブトムシ飼育」を開始したのです。
カブトムシを大きな飼育箱で産卵させて幼虫を育て、成虫を公園に放つという繰り返しを約10年間継続してきました。
今年は、報告があっただけでも20数匹のカブトムシが見つかっています。
カブトムシたちが公園に根付いて暮らしていることになります。皆んなの努力が実りました。
「ありがとう、レッツ久宝探検隊のみなさん」
*レッツ久宝探検隊とは。
グリーンセーバーの資格を持ち、植物や生態系の知識を学ばれた方々が、子どもから大人まで自然を楽しく学び、体験してもらえる機会をつくるために久宝寺緑地で活動されているグループです。
春に見つかった2匹の幼虫を公園インフォメーションで飼育してみました。
カブトムシ(ヤマトカブト)日本では1種しか生存していないそうです。
2023年の飼育記録
- 3月30日
- インフォメーションにカブトムシの幼虫がやってきました。
- 4月4日
- マットの交換の為生存確認。
ウンチがたくさんありました。面白い形をしていますね。 - 4月26日
- マット交換、1匹は亡くなっていました。もう1匹は元気です。
たくさんのウンチ確認。 - 5月15日
- マット内に蛹室を作っていましたが、観察ができるように 人工蛹室に引っ越し。
ヤマトカブトは蛹室の中で動けるように縦向き。
外国産のカブトムシは横向き。
蛹室はオアシスで作りました。 - 6月4日
- オアシスの蛹室が見えづらく、小さめの為、R君とH君が 人工蛹室に引っ越し。
- 6月13日
- 蛹から羽化、成虫になりました。
体色が黒くなるまでそっとしておく。体つくりの大切な期間の為。 - 6月14日
- 黒くなっている。カブトムシらしくなった。
飼育ケースに引っ越し。前足、中脚、後ろ脚正常。
しばらくマットの上を動き回って潜っていった。 - 7月22日
- オスカブトムシが来た。
この子は久宝寺緑地で自然繁殖した子です。 - 8月9日
- 繁殖のチャンス、2匹をおおきなケースに引っ越。
昆虫少年のR君とH君が協力。
相性が合わなかったら、もう1匹の赤い子と交代予定。 - 8月19日
- オスの匂いがしなくなった。交尾ができたのかは不明。
- 8月27日
- ペアの交換
- 8月29日
- 赤いオス、交尾確認。(通常交尾は30分程) 交尾事故。見守るしか手立てはない。
- 8月31日
- 離れていた。一安心したが、メスの元気がない。
- 9月1日
- メスは力尽きて動かなくなっていた。
- 9月7日
- 赤いオスは力尽きた。
- 10月3日
- オス、別ケース内で力尽きた。
期待をかけた赤いカブトムシとの交尾はメスがすぐになくなってしまったので、産卵はできていないだろう。初めのペアリングがもしかしたら成功しているかもしれないので、念のため飼育ケースはそのまま保持することとしました。
10月28日の朝、飼育ケースの中に白いものが見えている。気のせいだろうと自分に言い聞かせていたが午後になり、見えていた白いものは見えなくなっている。動いているということは、もしかして!R君が来たので、確認を手伝ってもらった。
何ということでしょう!次から次から大きく育った幼虫がでてきました。なんと、全部で20匹もいました。感動しすぎで疲れるということもあるのですね。もうすっかり諦めていたカブトムシの赤ちゃん。嬉しいことです。
Posted by 管理人 at 15:19 パーマリンク
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